移動式クレーンによる死亡災害は、年間約30件発生しています。特に、つり上げ荷重が3トン未満の移動式クレーン等による死亡災害は移動式クレーンによる死亡災害の約半数を占め、定格荷重を超えた荷をつり上げたことが原因とされる災害も繰り返し発生しています。
こうした事故を防ぐとともに、移動式クレーンの構造に関する国際基準への整合を図るため、「移動式クレーン構造規格」(平成7年労働省告示第135号)が改正され、平成30年3月1日から適用されています。
今回の改正は、つり上げ荷重が3トン未満の移動式クレーン等について、荷重計以外の過負荷を防止するための装置を義務づけること等により安全確保を一層推進しようとするものです。
今般、陸災防本部より、移動式クレーンを所有、または使用されている会員事業場様への当該改正の周知依頼がありましたので、お知らせします。
なお、平成31年3月1日前に製造された、つり上げ荷重が3トン未満の移動式クレーン等で荷重計のみを備えたものについては、経過措置により、引き続き譲渡、貸与または設置が可能ですが、改正後の移動式クレーン構造規格の基準を満たすものと比較して危険性が高いものとなります。こうしたことから、平成30年3月30日付で、厚生労働省労働基準局より陸災防本部あてに、つり上げ荷重が3トン未満の移動式クレーンについては、改正後の移動式クレーン構造規格の基準を満たすもの※に計画的に更新するよう要請がありましたので、併せてお知らせします。
※このうち、積載型トラッククレーンについては、JCAS2209-2018(一般社団法人日本クレーン協会規格「積載型トラッククレーン過負荷制限装置の基準」)を満たす定格荷重制限装置及び定格荷重指示装置を備え付けているものが望ましいとされています。
「移動式クレーン構造規格が改正されました」《厚生労働省パンフレット》
「荷重計以外の過負荷を防止するための装置を備えた移動式クレーンの使用について」《平成30年4月9日 陸災防本部会長発文書》
「荷重計以外の過負荷を防止するための装置を備えた移動式クレーンの使用について(要請)」《平成30年3月30日 厚生労働省労働基準局安全衛生部安全衛生課長発文書 》