電気自動車の整備の業務等に係る特別教育に係る労働安全衛生規則等の改正について

労働安全衛生規則の一部を改正する省令(令和6年厚生労働省令第95号)及び安全衛生特別教育規定の一部を改正する件(令和6年厚生労働省告示第213号)が令和6年6月3日に公布されました。
本件に関する具体的対応等については下記のとおりとなりますので、その運用に遺漏がないようお願いいたします。

1.基本的対応について

対地電圧が50ボルトを超える低圧(直流750ボルト以下、交流600ボルト以下)の蓄電池を内蔵する自動車の整備の業務に労働者を就かせる場合には、従前から、労働安全衛生規則第36条4号の2における特別教育を実施することが義務付けられています。
今回の改正により蓄電池の電圧の上限が撤廃され、対地電圧が50ボルトを超える蓄電池を内蔵する自動車の整備の業務は全て特別教育の対象となりました。
バッテリーフォークリフトなどの車両系荷役運搬機械も「自動車」の範囲に含まれることから、これらの車両の整備業務を自ら実施する事業場も対象となります。

2.具体的対応について

(1)陸運業における主な対象の自動車
対地電圧が50ボルトを超える蓄電池を内蔵する自動車には、バッテリー式のフォークリフト等の車両系荷役運搬機械が含まれること。

(2)バッテリー式のフォークリフトにおける留意事項
バッテリー式のフォークリフトを所有する事業場が、定期自主検査(資格を有する労働者による特定自主検査を含む。)を実施した結果、当該バッテリーフォークに異常が認められ、自社の労働者に整備の業務を行わせる場合には、安全衛生特別教育規定第6条の2に基づく特別教育を修了している者に当該バッテリーフォークの整備の業務を行わせること。

(3)バッテリーフォーク以外の車両系荷役運搬機械における留意事項
バッテリーフォーク以外の対地電圧が50ボルトを超える蓄電池を内蔵する車両系荷役運搬機械を所有する事業場が、自社の労働者による当該機械の定期自主検査を実施した結果、当該機械に異常が認められ、自社の労働者に整備の業務を行わせる場合も、上記(2)と同様であること。

(4)特別教育について
当協会として、電気自動車等の整備の業務に係る特別教育を実施する予定はございません。

【参考】電気自動車の整備の業務等に係る特別教育に係る労働安全衛生規則等の改正について

【参考】令和6年厚生労働省官報公示文